田舎の実家、放っておくと固定資産税が6倍に|「特定空き家」指定までの流れと、子供に負担を残さない選択肢

2026年6月26日

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「親から相続した田舎の実家が、ずっと空き家のまま」「名古屋に住んでいて、年に数回しか帰れない」「売りたい気持ちはあるけれど、どこに相談すればいいのかわからない」——そんな悩みを抱えていませんか。

実は今、その空き家を放置し続けることで、固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性が出てきています。しかも2023年12月の法改正によって、その対象は大幅に広がりました。

この記事では、なぜ固定資産税が6倍になるのか、どんな空き家が対象になるのか、そして「子供に負担を残さない」ための具体的な選択肢までをわかりやすく解説します。

なぜ空き家の固定資産税が6倍になるのか

そもそも、人が住んでいない空き家でも、土地と建物を所有している限り固定資産税は毎年かかります。固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される地方税です。

ここで重要になるのが「住宅用地の特例」という制度です。住宅が建っている土地(住宅用地)は、この特例によって固定資産税が大きく軽減されています。具体的には、200㎡以下の小規模住宅用地であれば、固定資産税が6分の1にまで減額される仕組みです。

つまり、空き家であっても建物が建っていれば、この軽減措置のおかげで税負担が抑えられてきました。逆に言えば、この特例が外されると、軽減されていた分が一気に元に戻り、結果として税額が最大6倍になるということです。

「6倍になる」とは、新しく税金が上乗せされるのではなく、これまで受けていた優遇がなくなる、という意味なのです。

2023年の法改正で対象が大きく広がった

これまで固定資産税が6倍になる対象は、行政から「特定空き家」に指定された物件のみでした。

特定空き家とは、2015年に施行された「空家等対策特別措置法」によって定められたもので、次のような状態の空き家を指します。

  • 倒壊など、著しく保安上の危険があるおそれのある状態

  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態

  • 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている状態

  • その他、周辺の生活環境を守るために放置が不適切な状態

ところが、2023年12月13日に施行された改正法によって、新たに「管理不全空き家」という区分が設けられました。これは「今のまま放置すれば、いずれ特定空き家になるおそれがある空き家」、いわば特定空き家の予備軍です。

具体的には、屋根や外壁が破損・変形している、窓ガラスが割れている、雑草が生い茂っているといった、管理が行き届いていない状態が該当します。

この法改正により、これまで対象外だった「まだ倒壊するほどではないけれど、傷み始めている空き家」までもが、固定資産税6倍のリスクを抱えることになりました。総務省の調査では、2023年時点で全国の空き家は約900万戸、空き家率は13.8%と過去最高を記録しており、多くの所有者が他人事ではなくなっています。

6倍になるまでの流れと、税金が上がるタイミング

「特定空き家・管理不全空き家に指定されたら、即座に6倍」というわけではありません。実際には段階を踏みます。

  1. 助言・指導:自治体から、空き家の状態を改善するよう求められます

  2. 勧告:助言・指導に従わない場合、正式な勧告が出されます

  3. 特例の解除:勧告を受けた時点で、住宅用地の特例が外れます

この「勧告」が大きな分かれ目です。勧告を受けると、その翌年度から固定資産税の軽減措置が適用されなくなります。

たとえば2024年中に勧告を受けた場合、2025年1月1日時点の評価をもとに、2025年度分から増額された税額が課されることになります。逆に言えば、勧告の前に建物を修繕したり適切に管理すれば、増税を回避できる余地があるということです。

実際にいくら上がるのか

数字で見ると、負担の重さがよくわかります。

評価額1,000万円の小規模住宅用地(200㎡以下)の場合、住宅用地の特例が適用されていれば、固定資産税は年間およそ2.3万円程度に抑えられています。

しかし特例が外れると、これが年間約14万円にまで跳ね上がります。差額は実に10万円以上。これが毎年、住んでもいない・使ってもいない実家のために発生し続けるのです。

評価額がもっと高い土地であれば、負担はさらに重くなります。「いつか考えよう」と先延ばしにしているあいだに、税金だけが静かに膨らんでいくことになります。

放置にはお金以外のリスクもある

固定資産税の増額は、空き家放置リスクの一部にすぎません。

資産価値の低下:管理されない家は傷むスピードが速く、年を追うごとに売却価格は下がっていきます。「もう少し様子を見よう」と待っているあいだに、売れる物件が売れない物件になってしまうこともあります。

近隣トラブル:雑草の越境、害虫の発生、不審者の侵入、倒壊の危険など、近隣住民に迷惑をかけ、思わぬ責任を問われるおそれがあります。

子供への先送り:そして最も見落とされがちなのが、この問題を次の世代に引き継いでしまうことです。

「子供に継がせますか?」という問い

ここで一度、立ち止まって考えてみてください。

今のまま田舎の実家を持ち続けると、いずれその空き家はお子さんが相続することになります。そのとき引き継がれるのは、思い出だけではありません。

  • 毎年かかり続ける固定資産税

  • 草刈りや見回りなどの管理の手間

  • 売るにも貸すにも動かしづらい、傷んだ物件

つまり、負担そのものを相続させることになりかねないのです。多くの方が「子供にこのまま継がせるわけにはいかない」と感じています。だからこそ、所有者であるご自身の代で、何らかの形に決着をつけておくことに大きな意味があります。

子供に負担を残さない、4つの選択肢

では、具体的にどうすればいいのか。空き家の出口は、大きく分けて4つあります。

1. 早く売る

最もシンプルで、税負担からも管理からも解放される方法です。傷みが進む前、価値があるうちに動くほど有利になります。「田舎だから売れない」と思われがちですが、土地や立地によっては需要があります。

2. 貸す・活用する(民泊など)

立地によっては、賃貸や民泊として活用し、空き家を「負債」から「収益を生む資産」に変えられる場合があります。山あいの物件や別荘地なども、使い方次第で価値が見いだせることがあります。

3. 管理を任せる

すぐに手放す決断ができない場合でも、適切な管理を続けることで特定空き家・管理不全空き家への指定を避けられます。遠方に住んでいて自分では通えない方には、管理の代行という選択肢があります。

4. 解体して更地にする

建物が老朽化しすぎている場合は、解体して更地として売却する道もあります。ただし更地にすると住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税は上がるため、売却とセットで計画的に進めることが大切です。

「うちは難しい物件だから」とあきらめる前に

田舎の空き家には、こんな事情がつきものです。

  • 屋根に穴が空いている、雨漏りしているなど傷みが激しい

  • 家のまわりに畑がついている

  • 山林や別荘地で、一般的には売りにくい

「こんな状態では買い手なんてつかないだろう」とあきらめてしまう方は少なくありません。

しかし、屋根に穴が空いているような物件でも買取に対応できるケースはありますし、畑と物件がセットになっている場合も取り扱いが可能です。一般的な不動産会社では断られがちな物件こそ、専門的に空き家を扱う体制が力を発揮します。

私たちは、こうした「難しい」とされてきた空き家の買取・管理・活用・解体を、ワンストップでご相談いただける体制を整えています。社団法人として行政とも連携しながら、名古屋にお住まいで田舎の実家をどうにかしたいという方の出口づくりをお手伝いしています。

まとめ|動くなら、早いほどいい

最後に、要点を整理します。

  • 空き家を放置すると、住宅用地の特例が外れて固定資産税が最大6倍になる

  • 2023年12月の法改正で「管理不全空き家」が新設され、傷み始めた空き家も対象に

  • 6倍になるのは「勧告」を受けた翌年度から。その前に動けば回避できる余地がある

  • 放置は資産価値の低下・近隣トラブルを招き、子供に負担を相続させることにもなる

  • 出口は「売る・貸す(活用)・管理する・解体する」の4つ

「売りたいけれど、どうしたらいいかわからない」——その状態のまま時間が過ぎることが、いちばんもったいない選択です。傷んだ物件、畑付き、山林・別荘地でも、まずは一度ご相談ください。お子さんに負担を残さないために、できることはきっとあります。