介護保険の住宅改修とは?対象工事から費用、申請手続きまで完全ガイド
2026年3月7日
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介護保険の住宅改修制度とは
自宅での生活を続けたいけれど、段差や手すりのない階段に不安を感じていませんか?
介護保険の住宅改修制度は、要支援・要介護認定を受けた方が自宅で安全に暮らし続けるための重要な支援制度です。転倒防止や移動の円滑化を目的とした工事費用の一部を、介護保険から支給してもらえます。
この制度を利用すれば、最大20万円までの工事費用のうち、自己負担する金額は2万円〜6万円です。つまり、18万円から14万円の支給を受けられる可能性があるのです。
本記事では、対象となる工事の種類、費用の仕組み、申請手続きの流れまで、制度を正しく理解して最大限に活用するための情報を網羅的に解説します。
住宅改修の対象者と支給限度額

対象となる方の条件
住宅改修費の支給対象となるのは、要支援1・2または要介護1~5のいずれかの認定を受けており、自宅で生活している方です。
要支援とは日常生活に多少の支援が必要な状態、要介護とは日常生活全般で介護が必要な状態を指します。ただし、介護施設に入居中や病院に入院中の場合は原則として対象外となります。
例外として、退院や退所が決まっており、自宅での生活再開に向けた改修であれば対象になるケースもあります。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。
支給限度額は20万円まで
住宅改修費の支給限度額は20万円です。
自己負担割合は利用者の年齢や所得によって1割、2割、3割のいずれかに分類されます。1割負担の方なら18万円、2割負担なら16万円、3割負担なら14万円が支給される計算です。
この制度は原則として被保険者1人につき1回限りですが、20万円を超えない範囲であれば複数回に分けて利用することも可能です。また、同じ住宅に父親と母親がそれぞれ要介護認定を受けている場合は、それぞれが20万円ずつ利用できます。
また、当社では当社では「受領委任方式」を推奨しており、最初から自己負担額のみをお支払いいただく方法で工事が出来ます。(自治体や、状態に応じてできない地域や工事もございます)
2回目以降の利用が認められるケース
原則1回限りの制度ですが、引っ越しをした場合や要介護度が著しく高くなった場合には、再度支給を受けることができます。
要介護度の変化については、初回利用時と比較して3段階以上上がった場合が目安となります。たとえば、要支援2で初回利用した方が要介護3以上になった場合などが該当するでしょう。
対象となる住宅改修工事の種類

介護保険が適用される住宅改修工事は、6種類に限定されています。
手すりの取り付け
転倒防止や移動補助に役立つ手すりの設置は、最も一般的な住宅改修の一つです。廊下、トイレ、浴室、玄関、階段など、段差や転倒の危険性がある場所に設置されます。
壁に固定する「壁付け型」や床から天井まで届く「据え置き型」など、状況に応じて選択可能です。既存の手すりが身体機能の変化によって合わなくなった場合の取り換えも対象となります。
ただし、取り付け工事を必要としない置き型の手すりは福祉用具とみなされ、住宅改修の対象にはなりません。
段差の解消
住宅内の段差は転倒リスクを高める大きな原因です。
玄関の上がりかまち、室内の敷居、浴室の出入り口などの段差を解消する工事が対象となります。敷居を低くしたり撤去したりする工事、スロープを設置する工事、床のかさ上げや身体状況に適したユニットバスへの交換といった浴室の工事などが含まれます。
車いすでの移動がスムーズになり、つまずきによる転倒リスクを減らせるでしょう。玄関から道路までの通路なども対象になる場合があります。
床材の変更
滑りやすい床材を滑りにくい素材に変更する工事も介護保険を使って改修可能です。
浴室の床をタイルから滑りにくい素材に変更したり、廊下や居室の床材を変更したりする工事が該当します。車いすで円滑に移動するため、畳やカーペットからフローリングに変更する工事も対象です。
階段の滑り止め設置や、屋外通路面を滑りにくい舗装材へ変更する場合も含まれます。
扉の取り替え
ドアノブを回して開ける開き戸を引き戸や折れ戸、アコーディオンドアに取り替える工事は介護保険が適用されます。
開き戸は開閉の際にスペースが必要で、車いすの方や歩行が不安定な方には使いづらいことがあります。少ない力で開閉でき、省スペースで開け閉めができる引き戸や折れ戸などに変更すると、車いすや歩行困難な状態でも操作しやすくなるでしょう。
既に設置されている引き戸に戸車を設置して滑りをよくしたり、扉自体を撤去したりする工事が対象になる場合もあります。ただし、自動ドアに変更した場合は動力部分の設置にかかる費用は対象外です。
洋式便器への取り替え
和式便器から洋式便器へ交換する工事は介護保険でできる住宅改修の対象です。
座りやすいトイレに替えると、高齢者でも利用しやすく介護者も介助しやすくなります。既存の洋式便器を立ち上がりやすい高さの洋式便器に交換する工事や、身体状況に応じて便器の向きを変える工事なども対象となる可能性があります。
付帯工事
上記の工事に付帯して必要となる改修工事も介護保険が使えます。
たとえば、手すりを取り付けるために壁を補強したり、引き戸に変更する際に壁の一部を撤去したりする工事が該当します。床材を変更する際の下地補強なども含まれるでしょう。無料相談はこちら
住宅改修費の支払い方法

住宅改修費の支払い方法には、償還払いと受領委任払いの2種類があります。
償還払いとは
償還払いとは、利用者が事業所にいったん全額を支払い、後から自己負担分を除く9割から7割分の支給を受ける方法です。
たとえば20万円の工事を行った場合、まず20万円全額を施工業者に支払います。その後、市区町村に申請することで、1割負担の方なら18万円が後日振り込まれる仕組みです。
一時的に全額を立て替える必要があるため、資金面での負担が大きくなる可能性があります。ただし、どの施工業者でも利用できるというメリットがあります。
受領委任払いとは
受領委任払いとは、市区町村と協定を締結している住宅改修事業者で工事をすることで、被保険者本人は自己負担分のみを住宅改修事業者に支払うことができる制度です。
20万円の工事の場合、1割負担の方なら2万円のみを施工業者に支払います。残りの18万円は市区町村から施工業者に直接支払われます。
費用の全額を一時的に建て替える必要がなくなり、住宅改修にかかる費用負担が大幅に軽減されます。ただし、協定を締結している事業者でしか利用できないため、事前に確認が必要です。
どちらを選ぶべきか
資金面での負担を抑えたい方には受領委任払いがおすすめです。
一方、希望する施工業者が協定を締結していない場合や、すでに信頼関係のある業者に依頼したい場合は償還払いを選択することになります。まずは担当のケアマネジャーや市区町村の窓口に相談し、自分の状況に合った方法を選びましょう。
申請手続きの流れと必要書類

工事着工前の事前申請が必須
住宅改修を行う際には、工事着工前にあらかじめ事前審査申請書を提出し、承認後に送付される事前審査確認書を確認した上で着工する必要があります。
事前の審査手続きを行わず住宅改修を行った場合や申請の内容が適切でない場合は、住宅改修費の支給はされません。必ずケアマネジャーや介護保険課に事前に相談してください。
申請や手続きなどは全て弊社で対応しております。
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住宅改修を成功させるポイント
ケアマネジャーとの綿密な相談
住宅改修を成功させる最大のポイントは、ケアマネジャーとの綿密な相談です。
身体状況や生活動線を熟知したケアマネジャーは、本当に必要な改修箇所を的確に判断できます。また、住宅改修理由書の作成も担当するため、早い段階から相談しておくことが重要です。
将来の身体状況の変化も考慮する
住宅改修は原則として1回限りの制度です。
現在の身体状況だけでなく、将来的な変化も見据えた改修計画を立てることが大切です。たとえば、現在は歩行可能でも将来的に車いすを使用する可能性がある場合は、廊下の幅や扉の種類なども考慮に入れましょう。
地域の相談窓口を活用する
住宅改修に関する疑問や不安がある場合は、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに相談しましょう。
制度の詳細や申請手続きについて丁寧に説明してもらえます。また、地域によっては住宅改修の相談会や見学会を開催していることもあるので、積極的に参加してみることをおすすめします。
まとめ:介護保険の住宅改修制度を最大限に活用しよう
介護保険の住宅改修制度は、要支援・要介護認定を受けた方が自宅で安全に暮らし続けるための強力な支援制度です。
支給限度額20万円のうち、自己負担は1割から3割のみ。手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更、扉の取り替え、洋式便器への交換など、6種類の工事が対象となります。
申請手続きは工事着工前の事前申請が必須です。ケアマネジャーと綿密に相談しながら、必要な改修箇所を見極め、適切な書類を準備しましょう。
償還払いと受領委任払いの2つの支払い方法があり、資金面での負担を抑えたい方には受領委任払いがおすすめです。
住宅改修は単なる工事ではなく、自立した生活を継続し、介護者の負担を軽減するための重要な投資です。制度を正しく理解し、最大限に活用して、安全で快適な住環境を整えましょう。
株式会社YouOneでは、介護資格を持つスタッフが住宅改修のご相談を承っております。岐阜県中津川市で創業70年以上の実績を持ち、地域の皆様の暮らしに寄り添ったサービスを提供しています。段差があって不安。廊下に手すりが欲しい。スロープを付けたい。脱衣所が寒くヒートショックが怖いなど、不安がありましたらご相談ください